ガーデンルーム
外構におけるガーデンルーム(サンルーム)工事費用の相場や目安とは?種類とともに解説
自宅に庭がある方は、次のように考えたことはありませんか?
「雨が降ったら子どもを庭で遊ばせられないから不便だな」
「庭での時間をもっと増やしたいな」
こうした不満を解消する方法として、ガーデンルームの設置がおすすめです。
ガーデンルームとは、リビングと庭をつなぐための空間です。ガラスやポリカーボネート張りだったり折り戸を使って全面解放できたりと、開放感のある作りが特徴です。
日当たりの良さを活かして洗濯物を干したり観葉植物を育てたり、子どもが遊ぶ第2のリビングとして使われるほか、最近では内部にテントを張ってグランピングを楽しむ方もいらっしゃいます。
さらに、屋上に設置したり離れとして単独で活用している例もありますよ!
家時間の楽しみ方をより豊かにするガーデンルームですが、外構のなかでは非常に大型のパーツでもあります。いざ自宅に設置するとなると、費用や相場、ガーデンルームの種類など分からないことも多いのではないでしょうか。
そこで、今回の記事では以下の点について解説します。
・ガーデンルームの種類
・工事費用の目安や相場
・業者に依頼するときの注意点
・工事費用を抑えるコツ
この記事を読めば、自宅に合ったガーデンルームの選び方から、業者とのやり取りをする上でのポイントまで分かります。ガーデンルーム選びに悩んでいる方や設置を迷っている方は、ぜひご一読ください。
施工例①
ガーデンルームの種類には何がある?
まずは、ガーデンルームの種類にはどんなものがあるのかを見ていきましょう。
それぞれの特徴やメリット・デメリットを知ることは、自宅に合ったガーデンルーム選びのヒントになりますよ。
また、同じような作りの「サンルーム」との違いについても解説しています。
ガーデンルームの種類は主に2つ
ガーデンルームには「ルームタイプ」と「サイドスルータイプ」タイプの2種類があります。
下の表で、それぞれの違いを比較してみましょう。
種類 | 特徴 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
ルームタイプ | 方向を壁で仕切っているタイプ | ・雨風の影響を受けづらい ・盗難の被害に遭いづらい |
・費用が高い |
サイドスルータイプ | 正面のみ壁で仕切り、サイドには何もないタイプ | ・比較的安価 ・メンテナンス部分が少ない |
・解放部分から外部の影響を受ける |
ガーデンルームとサンルームとの違い
外構のカタログを見ていると、ガーデンルームと同じような作りのもので「サンルーム」というものがあるのが分かります。ガーデンルームとサンルームは非常によく似ているため、区別に困るという方も多いのではないでしょうか。
実は両者には厳密な違いはありません。一般的にガーデンルームとサンルームを区別するためによく使われているのは、気密性と基礎の違いです。
ガーデンルームは庭の延長として捉えられることが多く、ウッドデッキやタイルの床の上にポリカーボネートやガラスの扉などで外とは隔てた空間を作っています。開放感のある作りになっているため、気密性は高くありません。
一方、サンルームは部屋の一部として作られるので、コンクリートの基礎の上に立っています。サッシで囲まれた空間は気密性が高いので、洗濯物を乾かしたりするのにはピッタリです。
業者やメーカーによっては、同じものとして取り扱われていたり、便宜上の区別方法を独自に設けたりしている場合もあります。そのため、迷ったときにはカタログ上の区別よりも、用途によって必要なもの選ぶようにした方がよいでしょう。
ガーデンルーム工事費用の目安や相場
憧れのガーデンルームですが、設置にあたって気になるのは費用や相場ですよね。設置を本格的に決める前に、まずは大まかな工事費用を把握しておくことは大切です。
ガーデンルームの工事費用は主に広さと大きさに左右されます。一般的な相場は、800,000~2,000,000円と言われています。
さらに、「種類ごと」「床材ごと」の切り口から費用目安を見ていきましょう。
ここで紹介する費用はあくまで目安です。グレードやオプションによってはこの限りではないのでご注意ください。
種類ごとの費用目安
3方向を壁で仕切ったルームタイプの費用目安は、800,000円~です。一方、サイドに壁のないサイドスルータイプは300,000円~とかなり安価な傾向です。
これに施工費用が100,000~300,000円ほど上乗せされます。
床材ごとの費用目安
ガーデンルームの床材に何を使うかによっても、費用に少し差が出ます。
たとえばウッドデッキを使う場合はその種類や面積にもよりますが200,000~500,000円、タイルは150,000~300,000円程度と考えておきましょう。
おすすめの製品例
では、次に各メーカーから発売されているおすすめのガーデンルームをご紹介します。
どれも素敵なものばかりなので、見ているうちにガーデンルームのある生活が想像しやすいのではないでしょうか。
なお、紹介する価格は定価です。業者によっては割引がきく場合もあるので、設置を検討するのであれば一度問い合わせてみましょう。ここでは、価格帯と機能性のバランスを見ていきましょう。
●LIXIL(リクシル)
・ココマ
ココマには「ルームタイプ」「サイドスルータイプ」のほか、屋根と柱だけの「オープンテラスタイプ」もあり、好きなものを選べます。また、腰壁を必要な面に設置できるので、開放感がありながら外からの視線も遮れます。
【本体価格】779,600円~(タイルデッキは別途)
・暖欄物語
暖欄物語は、シックな外観が特徴のガーデンルームです。ポリカーボネート張りとガラス張りを選べるほか、腰壁の位置や素材まで選べるので、オンリーワンなガーデンルームを探している方にはおすすめです。
【本体価格】1,279,600円~(タイルデッキは別途)
●三協アルミ
・ハピーナリラ
ハピーナリラは、全面ポリカーボネート張りの開放的な作りを基本に、150cmの高さの腰壁を張ることもできます。通りに近い位置にガーデンルームを設置したとしても、人目をあまり気にすることなく日差しを楽しめますよ。
【本体価格】923,700円~(ウッドデッキは別途)
・M.フレージ
M.フレージはさまざまな窓のタイプを組み合わせて、ライフスタイルに合った空間を作り上げられるのが特徴です。窓はフルオープンの開放的なものから、クラシカルな鋳物腰パネル、ルーバー窓やFIX窓など種類豊富に取り揃えられています。
【本体価格】1,468,300円~(ウッドデッキは別途)
ガーデンルーム工事を業者に依頼するときの注意点
お気に入りの庭にぴったりのガーデンルームが見つかったら、「思い切って業者に依頼してしまおう!」と設置に向けて動き出す方もいらっしゃるでしょう。
しかし、ガーデンルームの設置にあたっては、業者に依頼する前にいくつか注意しなくてはいけない点もあります。
「設置したはいいが、あまり使わなかった」
「思ってもない費用がかかってしまった」
という事態を避けるためにも、以下の3点は事前に確認しておきましょう。
設置する方角に気を付ける
ガーデンルームは日光の影響を受けやすい空間です。そのため、設置する方向には気を付けましょう。
たとえば、東や南向きであれば、1年を通じて日当たりのよい空間作りができるでしょう。しかし、西向きであれば夏場の夕方は西日の影響を受け過ぎてしまう恐れがあります。
また、北向きでは日差しを受けることが難しく、冬場はガーデンルーム内部が冷え切ってしまうでしょう。
このように、設置する方角によっては、ガーデンルームは不向きな場合もあるのです。
プライバシーの確保も考慮する
設置を検討する際は、ガーデンルームだけではなく、プライバシーがきちんと確保できるかどうかという視点で周辺の環境も見直す必要があります。
ガーデンルームは、開放感を演出するために壁や屋根のほとんどに目隠しがありません。そのため、もし周辺に植栽やフェンスなどの目隠しになるものが何もない場合、外から家の中が丸見えになってしまうことがあるのです。
特に人通りが多い通路に面していると、通行人の目が気になってガーデンルームが利用できなくなってしまうことも考えられます。
こうした場合は、何かしらの目隠しを設置するか、目隠しになるフェンスやタープなどがセットになったものを選びましょう。
固定資産税の有無や建ぺい率を調べておく
ガーデンルームは、場合によっては固定資産税の対象になるので注意が必要です。
固定資産税の課税対象になる条件は、以下の3つです。
・3方向以上を鉄で囲まれている
・基礎が地面に固定されている
・屋根がある
これらの条件に当てはまる場合は、毎年の固定資産税が増加するので、あらかじめ確認しておきましょう。
さらに自宅場所や設置面積によっては自治体への建築申請も必要になります。
・自宅が防火・準防火地域の場合
施工面積にかかわらず、申請が必要
・それ以外の地域の場合
10平米を超える増築の場合は、申請が必要
建築申請をする場合は、自宅の建ぺい率や容積率にも気をつけましょう。もしぎりぎりの大きさまで自宅を広げている場合、申請が通らない場合もあります。
また、申請は誰でもできますが、図面や専門的な書面を準備する必要があるので、多くの場合は業者に依頼します。このとき150,000~300,000円程度の申請代行費用も発生するので、事前に把握しておきましょう。
ガーデンルーム工事費用を抑える2つのコツ
ガーデンルームは外構の中でも大型のパーツです。大きさだけでなく費用も高額になるため、実際に設置するとなると、できるだけ費用を抑えるコツを知りたいと思う方も多いのではないでしょうか。
そこで、ここではコストダウンに効果的な2つのコツをご紹介します。
・相見積もりをとる
・グレードを再考する
上手にコストを抑えて、後悔のないガーデンルーム作りを目指しましょう!
相見積もりをとる
相見積もりとは、複数の業者から同時に見積もりをとることです。
人生の中で外構工事を何度も経験する方は少ないでしょう。そのため、1社のみの見積もりをとっても、それが高いのか安いのか、内容は適正なのか不足しているのかが判断できないのです。
しかし相見積もりをとることで、業者同士を比較検討できます。もし外構工事が初めてであっても、効率よく自分に合った業者を見つけやすくなりますよ。
「複数の業者に見積もりを依頼する時間がない」という方は、ネットの一括見積サービスを利用するのも良いでしょう。
グレードを再考する
どうしても予算内に収まらない場合は、採用する製品のグレードを再考しましょう。ガーデンルーム工事費用は、どの製品を利用するのかによっても大きく左右されます。
また、床材の素材なども必要に応じて考え直してみることで、大幅なコストダウンに繋がることもありますよ。
DIYは可能だがおすすめできない
外構の醍醐味のひとつでもあるDIY。「ガーデンルームもDIYで作れるのでは?」と考える方もいらっしゃるでしょう。
しかし、ガーデンルーム設置には自宅に穴を開けたり、場合によっては建築申請の対象になる場合もあります。そのため、専門的な技術や知識のない方が挑戦するには、余程の知識と技術備がない限りはハードルが高いと言えるでしょう。
せっかくガーデンルームという商品を買って失敗していては、その商品は使いまわしできない可能性が高いので、ムダ金になってしまいます。
また、倒壊など設置後のトラブルを避けるためにも、専門業者に依頼するのが無難です。
まとめ
今回は、ガーデンルーム工事費用の目安や相場、種類などについて解説しました。
ここで、この記事の内容をもう一度振り返ってみましょう。
・ガーデンルームには、主に「ルームタイプ」「サイドスルータイプ」の2種類がある
・工事費用の相場は800,000~2,000,000円程度
・採用するガーデンルームの種類や使用する床材などによって、工事費用は左右される
・業者に依頼する際は、「設置する方角」「設置場所の環境」「固定資産税の有無や建ぺい率」を事前に確認しておくとよい
・工事費用を抑えるには、「相見積もりをとる」「グレードを再考する」ことが有効
ガーデンルームは、雨の日の洗濯物干しや子どもの遊び場からヨガやグランピング、ガーデニングなど、機能性と多様性を合わせ持った空間です。
自宅に合ったガーデンルームを上手に選んで、自宅での時間をより豊かなものにしましょう!
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