カーポート
外構におけるカーポート工事費用の目安や相場はどのくらい?種類とともに解説
自宅の駐車場に屋根がない方は、車を停めているときにこんな経験をされたことはありませんか?
・洗車したばかりの車に鳥のフンが落ちていた
・冬の朝、出勤しようと思ったら窓ガラスが凍り付いていて霜を落とすのに手間取った
・夏の日中、買い物に出ようと車に乗ったら暑すぎて、出かける前に汗だくになってしまった
大きな不具合というわけではないけれど、毎日の生活の中でこうしたことが繰り返し起きるのはストレスですよね。
そんなときに役立つのがカーポートです。
カーポートとは、屋根と柱でできた簡易車庫のこと。入口以外の3方向を壁で囲うガレージとは異なり、横からの飛散物には弱い一方、ガレージより安く設置でき、駐車や乗り降り、荷物の出し入れがしやすいのも特徴です。
しかし一言でカーポートといっても、その種類は様々で、見慣れない分厚いカタログから選ぶのは難しいものです。また、外構の中でも大きなパーツなので、費用や相場が気になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで今回の記事では、以下のことについて解説します。
・カーポートの種類
・工事費用の目安や相場
・業者に依頼するときの注意点
・工事費用を抑えるコツ
この記事を読むと、自宅に合ったカーポート選びから業者とのやり取りのコツまで分かります。カーポート選びに迷っている方、設置しようか悩んでいる方はぜひ最後までご一読ください。
施工例①
施工例②
カーポートの種類には何がある?
では最初に、カーポートにはどんな種類があるのかについて解説します。
カーポートは大きさやデザインもさまざまです。
今回は以下の3点からカーポートの種類を見ていきましょう。
・停められる車の台数
・構造の特徴
・素材の特徴
停められる車の台数
一般的な個人住宅用のカーポートには、1~4台用のものが多く見られます。
中には奥行きを少し深めにとって、自転車やベビーカー、スノータイヤなどの収納スペースとして使えるものもあります。
また、2~4台用では並列だけでなく縦列のタイプもあります。
構造の特徴
カーポートの構造は、主に屋根の形と柱の位置によって異なります。
屋根の形は、主に以下の2種類です。
屋根の形 | 特徴 |
---|---|
ラウンドタイプ | 曲線的な形状をした屋根のこと。やわらかい印象。屋根に積もった雪などが落ちやすい |
フラットタイプ | 直線的な形状をした屋根のこと。シャープでスタイリッシュな印象 |
柱の位置は、主に4種類あります。
柱の位置 | 特徴 |
---|---|
片側タイプ | 主に1台用でよく見られる。駐車の際、柱が邪魔になりにくい一方で、風や雪に弱いというデメリットもある。 |
両側タイプ | カーポートの両側に柱があるタイプ。柱の数は3~8本とさまざまだが、数が多いほど強度の高いものが多い。 |
中央タイプ | 真ん中の柱から左右に屋根を広げるタイプ。大きさの違う車にも対応できる。 |
後方タイプ | 柱が後方にあるタイプ。車の出し入れの障害になりにくいので、駐車が苦手でも比較的簡単に停められる。 |
素材の特徴
素材の特徴は、柱に使われる素材と屋根の素材に分けてみていきましょう。
柱に使われる素材は主に以下の2種類です。
素材 | 特徴 |
---|---|
アルミ材 | 最もよく使われる素材。軽くて丈夫、錆びにくい。 |
スチール材 | 丈夫で比較的安価。錆びやすいので、塗装などをして防さび対策をする必要がある。 |
では屋根にはどんな素材が使われているのでしょうか。主な素材は、以下の4種類です。
素材 | 特徴 |
---|---|
ポリカーポネート | プラスチック製品で、カーポートに最もよく見られる素材。衝撃や温度変化に強い。 |
FRP板 DRタイプ | プラスチックにガラス繊維などを混ぜ合わせて強度を上げた特殊素材の相称。 |
アルミ板 | さびに強いので、カーポートの劣化を抑えられる。遮光性、遮熱性にも優れているほか、デザイン性も高い。 |
スチール折板 | 耐荷重性や遮熱性に優れた丈夫な素材。積雪や強風の多い地域に適している。 |
カーポート工事費用の目安や相場について
カーポートの設置を考えるとき、種類と同じく気になるのは工事にかかる費用や相場ですよね。
カーポートの商品代+設置費用は、どんな業者でもほぼ同じ金額帯には落ち着きますが、利益等の分が多少業者によって変わります。金額のおおよその目安を知っておくことは、業者選びの際にも役立ちますよ!
ここでは、停められる台数ごとの相場をご紹介します。
記載の相場は、一般的に良く販売されるお値段安めのカーポートの設置を想定しています。
デザイン性の特に高いものや、機能性に優れたものを採用する場合は、この限りではないのでご注意ください。
カーポートの相場まとめ
下記に工事費用の相場をまとめます。
台数 | 本体価格 | 施工費用 | 合計額 |
---|---|---|---|
1台 | 【片側柱の場合】100,000~150,000円 【両側柱の場合】150,000~200,000円 |
50,000~100,000円 | 150,000~300,000円 |
2台 | 200,000~300,000円 | 100,000~150,000円 | 300,000~450,000円 |
3台 | 400,000~600,000円 | 150,000~250,000円 | 550,000~850,000円 |
本体価格は、主に柱の本数やカーポートの大きさによって決まります。
施工費には、柱を埋め込むための地面の穴あけ、柱をコンクリートで固定する基礎工事、そして本体の組み立てが含まれます。そのため、こちらもカーポートの大きさによって費用が異なります。
また、必要があれば追加工事も行います。
たとえば、既製品のままカーポートを設置するとカーポートの屋根が敷地外へ出てしまったりする場合、不要な部分をカットする必要があります。屋根のカットは1か所5,000~20,000円程度と考えておきましょう。
カーポートの下にコンクリートを敷くのであれば、1台分のスペースで約250,000~350,000円必要になります。
主なエクステリアメーカーの製品例
「サイズや構造、素材、デザインなどによって費用が異なるのは分かったけど、どうもイメージが湧かない」
ここまで読み進めてきて、こんな風に感じる方もいらっしゃるでしょう。
そこで、ここからはカーポートメーカーとして有名な「三協アルミ」と「LIXIL」の価格帯別の製品例をご紹介します。
カーポートの見積もりをとるとき、業者によっては定価からおおよそ40~50%程度の割引を受けることが可能です。そのため、ここで紹介する価格は実際の費用とは異なる場合もあります。
あくまで費用対デザインや性能などを比較するときの目安としてご覧ください。
三協アルミ
●低価格帯モデル例:カムフィエース
カムフィエースは、ベーシックなデザインながら1~3台まで間口が広くとれるのが特徴です。製品のサイズ、定価は以下の通りです。
台数 | サイズ(奥行×間口×高さ) | 定価 |
---|---|---|
1台 | 4,312×2,400×H23 ~ | 226,700円~ |
1台+α | 5,742×2,400×H23 ~ | 326,800円~ |
2台 | 8,602×2,400×H23 ~ | 455,000円~ |
3台 | 5,027×7,260×H23 ~ | 960,500円~ |
●中価格帯モデル例:U.スタイルアゼスト
U.スタイルアゼストは、フラットな屋根が特徴の製品です。天井材や、吊り下げ・梁置きなどのバリエーションも豊富です。
台数 | サイズ(奥行×間口×高さ) | 定価 |
---|---|---|
1台 | 4,780×1,500×H21 ~ | 451,500円~ |
2台 | 4,780×3,310×H21 ~ | 827,300円~ |
3台 | 4,780×6,320×H21 ~ | 1,532,700円~ |
4台 | 4,780×9,330×H21 ~ | 2,328,600円~ |
●高価格帯モデル例:M.シェードⅡ
M.シェードⅡは、スタイリッシュな外見が特徴のカーポートです。安定感のある梁置きタイプのほかに、後方や片側の柱からの上釣りタイプもあります。
台数 | サイズ(奥行×間口×高さ) | 定価 |
---|---|---|
1台 | 5,350×2,936×H23 ~ | 1,079,900円~ |
2台 | 5,350×4,747×H23 ~ | 1,660,100円~ |
3台 | 5,350×7,451×H23 ~ | 2,411,400円~ |
LIXIL(リクシル)
●低価格帯モデル例:ネスカ
ネスカは低価格でシンプルなデザインながら、1~3台に対応したバリエーション豊かなカーポートです。2台用では、下で紹介するY合掌以外にも、M合掌や縦列対応もあります。
また、同じシリーズ内にはフラット屋根の製品もあります。
台数 | サイズ(奥行×間口×高さ) | 定価 |
---|---|---|
1台 | 4,980×2,400×H22 ~ | 233,900円~ |
1台+α | 6,392×2,400×H22 ~ | 330,900円~ |
2台 | 4,980×4,826×H22 ~(Y合掌の場合) | 478,400円~ |
3台 | 4,980×7,241×H22 ~(M+Y合掌) | 732,200円~ |
●中価格帯モデル例:カーポートSC
カーポートSCは、梁の見えない柱と屋根だけのシンプルでスタイリッシュなビジュアルのカーポートです。強度を保ちながら、屋根の薄さにもこだわっています。
台数 | サイズ(奥行×間口×高さ) | 定価 |
---|---|---|
1台 | 5,000×2,427×H22 ~ | 457,400円~ |
2台 | 5,000×4,808×H22 ~ | 1,057,600円~ |
4台 | 10,020×4,808×H22 ~ | 2,145,100円~ |
●高価格帯モデル例:Gルーフ(カールーフタイプ)
Gルーフは、パーツを組み合わせて敷地全体をデザインする「プラスGシリーズ」で作るカーポートです。シリーズは主に、間取りの骨組みを作る「Gフレーム」、間仕切りなどに使う「Gスクリーン」、屋根としての役割を担う「Gルーフ」があります。
それぞれのパーツを組み合せてデザインするカーポートなので、はっきりとした規格はありませんが、一例の料金例をご紹介します。
台数 | サイズ(奥行×間口×高さ) | 定価 |
---|---|---|
1台 | 5,222.8×2,840×H24 | 881,400円 |
2台 | 5,352×5,590×H24 | 2,149,100円 |
カーポート工事を業者に依頼するときの注意点
カーポートの種類や相場が分かり、何となくイメージが湧いてきたところで「よし!さっそく業者に連絡しよう」と意気込む方もいらっしゃるでしょう。
しかし、ちょっと待ってください。
カーポート工事を依頼する前に考えておかないといけないことは、他にもあるのです。
深く考えずに製品や設置場所を決めると、思わぬ事故やトラブルの原因になることも。
業者に依頼する前に、以下の3点はきちんと確認しておくことをおすすめします。
・設置する地域の天候を考慮する
・将来的に必要となる条件も考えておく
・隣地に配慮して設置する
設置する地域の天候を考慮する
カーポートを設置する地域が豪雪地帯や台風・突風の多い地域である場合は、天候の影響も考慮しましょう。
たとえば、デザイン性の高いフラット屋根のカーポートを豪雪地帯に設置してしまうと、冬に積もった雪の重みで破損してしまう恐れがあります。この場合は、耐雪量の多いものを選びましょう。ラウンド型や傾斜のある屋根を採用するのも有効です。
また、設置場所にも注意が必要です。特に、大屋根の軒下や大きな木の隣に設置するのは避けましょう。もし固まった雪が落ちてくると、屋根が壊れてしまうことも考えられます。
一方、強い風の吹きやすい地域では複数本の柱があるものや耐風圧強度の高いものを選びましょう。
将来的に必要となる条件も考えておく
将来的に車の台数やサイズが変わることがある場合にも注意が必要です。
たとえば、現在軽自動車に乗っていたとしても、子どもが増えるとファミリーカーに乗り換える必要が出てくるかもしれません。また、カーポートに自転車も置く場合は、必要台数が入りきるスペースを確保しておくのがよいでしょう。
ちなみに車のおよそのサイズは以下の通りです。ワンボックスカーなど車高の高い車を所有している場合は、ロング柱(H25)やその上のH28柱を選択しましょう。
車種 | 車幅×長さ×車高 |
---|---|
軽自動車 | 1.4×3.2×1.4m |
小型車 | 1.6×4.0×1.45m |
ワンボックスカー | 1.7×4.3×2.0m |
中型車 | 1.7×4.7×1.55m |
大型車 | 2.0×6.2×1.6m |
カーポートの耐久年数は、アルミ材のもので約10~15年です。
一度設置したカーポートを、生活スタイルの変化に合わせて何度も作り変えることは現実的ではありません。そのため、できる限り将来的な利用シーンまで考えて製品を選ぶことをおすすめします。
隣地に配慮して設置する
カーポートを設置する場所が隣地に接する場合、屋根に降った雨や雪がどこに落ちるのかは事前に確認しておきましょう。
駐車スペースを確保したいあまり境界ぎりぎりに設置すると、屋根の方向によっては隣地に流れ落ちてしまうことがあります。
このような場合には、ご近所トラブルを避けるためにも、位置をずらしたり屋根の形状を再考するなどして隣地に配慮しましょう。
カーポート工事費用を抑える3つのポイント
カーポートは、設置することで外からの愛車へのダメージを軽減できたり、雨や雪の日の乗り降りも簡単になります。
メリットの多いカーポートですが、せっかくなら工事費用はできるだけ抑えたいですよね。
そこで、最後にカーポート工事費用を抑えるコツを3つご紹介します。
・相見積もりをとる
・デザインを再考する
・床材を再考する
これらの点に気を付けることで、できるだけ費用を抑えて理想のカーポートを手に入れましょう。
相見積もりをとる
相見積もりとは、複数の業者から同時に見積もりをとることです。
外構工事は人生の中で何度も経験することではありません。そのため、1社からの見積もりだけでは、それが高いのか安いのか、施工内容が適切かの判断ができないのです。
しかし、相見積もりをとれば業者同士を比較できます。そのため、「安い見積もりに飛びついたものの、後からオプションを追加させられて結局は割高だった」などの失敗を防げるのです。
デザインを再考する
どうしても予算オーバーしてしまうときは、カーポートのデザインを再考しましょう。
デザイン性に凝ったものはその分製作にコストがかかっています。そのため、凝ったものからシンプルなものに変えると、大幅なコストカットが可能です。
また、可能であれば柱の本数を減らすのもひとつの手です。たとえば柱が1本減るだけで、基礎工事も減らすことができるため、値段がかなり抑えられることもあります。
もちろん、柱を減らすのは気候条件や設置場所によっては難しい場合もあります。可能かどうか判断するには、一度業者に相談してみましょう。
床材を再考する
カーポート本体だけではなく、下の地面に敷く素材を再考してみるのもよいでしょう。
全てコンクリートにしてしまうと、水はけや草むしりの心配をすることはありませんが、比較的コストがかさみます。
このような場合であれば、部分的にタイヤスペースのみをコンクリートにし、残りは芝生や砂利を敷くという方法もあります。
まとめ
今回は外構におけるカーポート工事費用の目安や相場、種類などについて解説しました。
では、ここで記事の内容をおさらいしましょう。
・カーポートには、停める車の台数やカーポートの構造、使われる素材、デザイン性によってさまざまさものがある
・工事費用の相場は、停められる車の台数によって150,000~1,000,000円程度と開きがある
・工事を業者に依頼するときは事前に、設置する地域の天候、将来的な使い方、隣地との位置関係を考慮しておくとよい
工事費用を抑えるためには、相見積もりをとって業者を比較してみることが有効
・予算に収まらないときは、デザインを再考したり、地面に敷く材料を工夫するよい
カーポートを設置すると、車のお手入れや乗り降り時といった日々のちょっとしたシーンをより便利にできたり、雪や雨などから愛車を守る効果があります。
天候の特徴や隣地への影響を考慮に入れながら、快適なカーライフにお役立てください!
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