人工芝工事費用の目安や相場はどれくらい？種類と共に解説

人工芝工事の種類

人工芝というのは、天然の芝の形をしたナイロンやポリエステルなどの合成樹脂によって作られたフェイクグリーンの芝です。
天然の芝ではないので、天然の芝独特の青々しさやマイナスイオンの感覚などの本物の草の感じは全くありません。
しかし、人工芝ならではの様々な魅力により、常に人気のある芝の材料です。人工芝にはどのようなメリットがあるのか、以下にご紹介いたします。

□ 人工であり伸びないのでお手入れがほぼ必要がない
□ 人工で作られた芝なので場所を選ぶことなく、どこでも敷くことができる
□ 暗いお庭で天然芝が育ちにくい場所でも枯れることなく敷くことができる
□ 季節を問わず1年中綺麗な芝の状態をキープすることができる
□ いつでも緑の綺麗な景観を楽しめる
□ 防草シートを下に敷くことで雑草を生えにくくできる
□ 天然ものではないため虫が発生しにくい
□ 泥や土で汚れても水を掛けることで、すぐに綺麗になる
□ 初期費用は天然芝よりも高いが、管理が不要なのでランディングコストがかからない
□ 丈夫で長持ちする素材であり10年前後使うことができる

このように、人工芝には天然芝にはない様々なメリットがあります。
人工ということで本物の芝ではありませんが、使い勝手の良さは本物の天然芝以上の良さです。

人工芝は一見種類が少ないと思う方もいると思いますが、実は種類はとても豊富です。
様々なメーカーが、様々な種類の人工芝を販売していますので、人工芝の種類と特徴を、以下にご紹介いたします。

①人工芝の素材の種類

（提供元：芝人　ＳターフPREMIUM40mm）

人工芝の素材は一見1種類と思っている方もいると思いますが、大きく分けて4つの種類があります。それぞれどのような特徴があるのか、以下のご紹介いたします。

①ポリプロピレン

人工芝の中でよく使われている素材といえば、ポリプロピレンです。
ポリプロピレンは雨や紫外線に強く耐久性に富んでおり、屋外での使用に向いている素材です。水や化学製品に触れても劣化しにくいので、ガーデニングなど水や化学製品を使う機会が多いご家庭に向いている人工芝素材です。

②ポリエチレン

ポリエチレンは、近年採用される事が多くなった新しい人工芝素材です。
それまで人気だったポリプロピレンと比べると、耐久性が高いところが大きな特徴です。耐久性が高いがゆえに、価格が高いのがデメリットといえます。

ポリエチレンという素材は光が反射しにくい特徴があり、日差しが強い日でもまぶしく見えることはなく、目に優しく利用しやすい特徴もあります。そのため、芝の上で活動をすることが多いご家庭に向いている人工芝です。

③ナイロン

ナイロン製なので柔らかいパイルであり、天然芝に近い感触の素材です。
難点といえば、雨や紫外線に弱い素材ということです。そのため、屋内の風除室の中などであれば使用に問題はありませんが、屋外に使用することには不向きな素材となります。

④ポリプロピレンとポリプロピレンの混織

ポリプロピレンとポリプロピレンの欠点を補っている混織素材であり、耐久性を保って劣化のしにくくしています。

②人工芝の葉の形の種類

（提供元：芝人　Ｓターフ30mm）

人工芝は、葉の形（葉のことをパイルと言います）も様々あります。どの人工芝も同じようなパイル形状に見えると思われるかもしれませんが、よく見てみると形に違いがあることがわかります。
葉の形が違うことにより、触れた時の触感や耐久性も異なるので、芝の形の種類は入念にチェックして選ぶべき大きなポイントといえます。
どのような芝の形があるのか、以下にご紹介いたします。

①クリンプ型

クリンプ型の葉は、ちぢれたような形の葉をしています。ちぢれていることにより、クッション性の高い人工芝となります。
人工芝の中で緑色の葉と茶色い葉が混ざっているものがありますが、茶色い葉はクリンプ型の場合が大半です。人工的な雰囲気を出さず、少し古い本物の葉の雰囲気をかもしだします。

②フラット型

フラット型は、文字通り真っすぐの形をした葉です。真っすぐ単純に作った葉なので、価格は安価です。
真っすぐでローマ字の「I」に似た形なので「I型」と呼ばれることもあります。
柔らかく手触りも良い部分は大きなメリットなのですが、形が真っすぐで平面的なので葉が寝てしまうデメリットがあります。

③V字型

（提供元：メモリーターフ）

葉を倒れにくくするために、断面をアルファベットの「V」の形にしている葉です。Vの形に折れていることで、しっかりと直立することができます。
ただし、角がある葉の形なので、多少チクチクする感触があることが難点といえます。とは言っても、普段使いには気になるほどではありません。

④C字型

C字型は、V型のチクチク感を無くすために緩いカーブの形にした葉です。その分手触りがとても良く、弾力性があるので折れたり倒れる心配が少ないので、耐久性に富んでいます。その分、費用は高いです。

⑤ウェーブ型（W字型）

葉の断面がアルファベットの「W」のような形に細かく波打っている葉です。C型よりもカーブが細かいので、もっとしなやかな感触があります。
加工が難しい葉なので、価格は高めです。

⑥ダイヤモンド型

ダイヤモンド型は、名称の通り断面がひし形になっている葉の形です。そのため立体的で肉厚な形をしているので、触れた時の接触面が広いのでチクチクした感じがありません。
弾力があって柔らかい肌触りなので、お子さんが転んでも心配ではありません。

③人工芝の葉の長さ

人工芝の葉の長さは、どれも同じ長さに見えているかもしれません。しかし、よく葉を見てみると葉の長さに違いがあることがわかります。どのような葉の長さの種類があるのか、以下にご紹介いたします。

①8～15㎜丈

適度なクッション性がある葉の長さであり、パターゴルフや良く走り回るようなキッズスペースに最適な葉の長さです。葉の長さが短いので、お掃除がしやすいメリットもあります。

②15～35㎜丈

芝の葉の長さでは、1番人気がある葉の長さ帯です。人気のため普及品であるので、リーズナブルでお求めやすい部分も大きな特徴です。
葉が長くなればなるほど、リアル感がでてきます。

③35㎜丈以上

35㎜丈以上は、芝のリアル感をもっと発揮させたい場合、葉の密度やクッション性に拘りたい方にオススメの葉の長さです。
葉の長さが長い分、フッカフカな芝の空間に仕上げることができます。もちろん、住宅に40㎜丈以上の長さの人工芝を採用するお宅もあり、リアル感ある芝のある庭を演出させます。

④その他人工芝に関わる工事や応用工事

上記の他に、人工芝に関わる工事や応用工事があります。どのような工事があるのか、以下にご紹介いたします。

①ロゴ入り人工芝

（提供元：JOGA）

ご自宅の庭の人工芝に一味違う個性を出したい場合は、ロゴ入り人工芝というものがあります。ロゴ入り人工芝は、一部分の芝の色を変えてアクセントをつけたり、ロゴの形に切り取って使用したりする工事です。
広い庭に人工芝工事をした場合、ロゴ入り人工芝でアクセントをつけると個性的な庭の芝とすることができます。

②見切り・縁石工事

（提供元：芝人）

人工芝と砂利など、他の地面の素材部分との境目には、見切り材や縁石を採用することが多くあります。
他の地面素材のすぐ横から人工芝を敷くことも可能ですが、見切りなどで縁切りをしたほうが綺麗に見えるので、工事に加える方が多いです。

人工芝工事にかかる費用や相場について

人工芝工事を計画しようとしても、気になってしまうのが費用だと思います。人工芝は天然芝よりも材料費も工事費も高いので、どれだけ高額な見積もりになるのだろうと、心配になると思います。
人工芝は下地（地面）命と言われるほど、地面の形状が仕上りに影響します。
少しの砂利もあったらダメですし、真っ平に地面を整地しなければなりません。
そんな、人工芝工事にかかる費用や相場を、以下にご紹介いたします。

今回は、人工芝の葉の長さ別に費用や相場をご紹介いたします。湿気が多い庭や荒れた庭の場合、特別な整地作業が必要となることにより別途費用が加算されることがあります。

①8～15㎜丈

地面の状態により行う工事が変わりますが、地面の下地工事がない場合は一般的に材料費・工事費含めて１㎡あたり5,000～9,000円程度での工事となります。
※ただし、人工芝メーカーの人工芝の種類により販売価格も異なります。

人工芝の下に雑草対策をしたい場合は防草シートを敷くことで、雑草を抑制させることができます。防草シートの費用は、１㎡あたり1,000～3,000円程度です。

②15㎜～35㎜丈

地面の状態により行う工事が変わりますが、地面の下地工事がない場合は一般的に材料費・工事費含めて１㎡あたり4,000～8,000円程度での工事となります。
人工芝の葉の長さでは、1番リーズナブルな金額です。
※ただし、人工芝メーカーの人工芝の種類により販売価格も異なります。

人工芝の下に雑草対策をしたい場合は防草シートを敷くことで、雑草を抑制させることができます。防草シートの費用は、１㎡あたり1,000～3,000円程度です。

③35㎜丈以上～

地面の状態により行う工事が変わりますが、地面の下地工事がない場合は一般的に材料費・工事費含めて１㎡あたり6,000～12,000円程度での工事となります。
※ただし、人工芝メーカーの人工芝の種類により販売価格も異なります。

人工芝の下に雑草対策をしたい場合は防草シートを敷くことで、雑草を抑制させることができます。防草シートの費用は、１㎡あたり1,000～3,000円程度です。

④人工芝下地工事

人工芝の下地工事は、現場の地面に草がすでに生えているのか、天然の芝生が貼ってあるのか、砂利なのか、コンクリートなのかにより様々なので一概には言えず、要現場調査となります。
例えば、天然の芝生が張ってある場合に芝生を剥がして地面を綺麗に整地する場合にかかる費用は、芝剥がし1㎡当り2,000～4,000円、芝生処分費1㎡当り500～1,000円、新設砂整地1㎡当り1,000～3,000円となり、合計すると下地工事で1㎡当り3,500～8,000円と、人工芝を新たに張る費用分が下地工事にも別途かかることになります。

⑤ロゴ入り人工芝

ロゴの大きさや素材、形により、費用は大きくことなります。
一般的に、1ロゴあたり50,000～100,000円程度となっています。設置する場所によっては、下地処理が別途かかる場合もあります。

⑥見切り・縁石工事

見切りや縁石工事は、一般的に１ｍあたり2,000～8,000円が費用の相場となっています。
施工場所やどういった縁石にするのかで縁石の下地の作り方が変わるので、費用は変動する場合があります。

人工芝工事の費用と相場まとめ

人工芝工事の種類	規格	単価
①8～15㎜丈	1㎡あたり	5,000～9,000円程度
②15㎜～35㎜丈	1㎡あたり	4,000～8,000円程度
③35㎜丈以上	1㎡あたり	6,000～12,000円程度
④人工芝下地工事 （天然芝剥がしの場合）	1㎡あたり	3,500～8,000円程度
⑤ロゴ入り人工芝	1ロゴあたり	50,000～100,000円程度
⑥見切り・縁石工事	1㎡あたり	2,000～8,000円程度

＊上記に雑草対策で防草シートを敷く場合は、1㎡あたり1,000～3,000円程度かかります。

人工芝工事を業者に依頼するときの注意点について

人工芝は天然芝と違い、工事完了後にメンテンナンスの心配がないことが１番のメリットです。
しかし、そのためには、しっかりとした工事業者選びをしないと後に不具合が発生することがあります。人工芝の工事を業者に依頼する際の注意点を、以下にご紹介いたします。

①人工芝の施工に詳しい業者に依頼する

（提供元：セルデス）

人工芝の工事というのは、一見簡単そうに思える方もいるかもしれません。しかし、そんなことはありません。
造園工事の中で一番難しく技術力のいる工事の一つであり、業者によって仕上りが全く違うからです。

人工芝の工事完了後何年と便利に使っていくためには、人工芝の専門性の高い業者にお願いすることが非常に大事となります。

人工芝に詳しい業者なのかを見分ける方法は、気になったことを突発的に質問してみるとわかります。人工芝に長けている詳しい業者であれば、お客様が突発的に発した質問に瞬時に答えることができます。逆に人工芝に詳しくない業者は、即答はできません。
お客様の質問に即答できない業者はプロではありませんので、絶対に依頼してはいけません。

何より、人工芝の専門業者は人工芝は下地が命だということを理解しています。
なので、下地作りにこだわらない業者や下地作りが見積りに入っていない場合は注意が必要です。

②アフターサービスがしっかりしている業者を選ぶ

人工芝は外回りに施工するものですので、雨や風など外的刺激などの様々な弊害により劣化や破損が発生する場合があります。それが起こること自体はしょうがありません。

その中でも、工事完了後のアフターサービスが充実している業者は、その後何か弊害が発生した場合に即座に対応してくれます。サービスが充実している業者は、人工芝設置後の不具合発生時には無料または低価格で人工芝補修をしてくれる業者もあります。
業者選びの際にはアフターサービスのことも詳しく聞いて、わかりにくい場合は書面にしてもらって保管をしておくと、後に不具合が発生した時に対応してもらえるのかの目安とすることができます。

業者によっては、外回りの工事だからとアフターサービスは一切行っていない業者もあるので、工事依頼前に必ず確認をしましょう。

③相談にしっかり乗ってくれる業者を選ぶ

相談にしっかり乗ってくれる業者は、お客様の立場に立って考えて工事を行ってくれる業者です。人工芝はお客様が使う物ですので、お客様の意見を100%取り入れて工事を行うべきです。
しかし、業者の中には自分の会社のおすすめの人工芝材料を売りたいがために、異様に押す業者もあり、お客様の意見を一切聞かない業者もいます。
業者が勧める人工芝の材料は本当に良い材料かもしれませんが、工事というのはお客様重視で進めていかないといけないものであり、業者の言い部分を押し付ける業者は良い業者とはいえません。
どんな小さなことでも耳を傾けて、親身になって対応してくれる業者に人工芝の工事をお願いしましょう。

④見積書の内容が細かくしっかりとしている業者を選ぶ

人工芝の工事を行う際、工事前に業者に見積書を出してもらいます。事前に見積書を提出しなかったり一式見積もりなどの適当な見積書を出してくる業者は、良い仕事はしません。

何度も申し上げている通り、人工芝は下地が命です。
下地が凸凹だと仕上りも凸凹になるのです。

その見積書に下地に関する工事は記載してありますか？記載がない場合、その見積りでは綺麗に仕上げる保証はしていないと言っているようなものであり、工事完了後に文句を言ってもどうしようもありません。
なぜなら、ドッグランなど、敢えて築山を作って凸凹にしたりなど、綺麗に平面に仕上げる目的以外の人工芝敷きの依頼も普通にあるからです。

ご自分の仕上りの希望や目的に沿った見積りになっているのか必ず確認しましょう。

見積書の中に細かく工事内容や量をしっかり記載している業者は、その見積書の内容に忠実に工事を行うので、どんな工事の流れで人工芝工事を行うのかお客様もわかっているので、安心してお任せできます。

人工芝工事費用を抑える5つのポイント

人工芝工事というのは意外と高く、見積もりを見て驚くお客さまは少なくありません。
一般的に、天然芝張りの5～10倍がかかる場合もあります。

予算よりも費用が多く困ってしまった場合、目を向けるべきいくつかのポイントがあります。どのようなポイントに目を向けるべきなのか、以下にご紹介いたします。

①1番安価な人工芝で工事をお願いする

人工芝には様々なメーカーが販売しており、それに伴って様々な種類があります。
しかし、その中でも一番普及している品の人工芝を使うと安価な工事となります。

他にも素材や仕上げ材によっても費用は大きく異なるので、1番安価な人工芝を教えてもらいましょう。
ただし、1番安価なことには理由があるので、メリットとデメリットも聞いて納得した上で決めることをおすすめします。

②必要な面積のみを人工芝工事とする

人工芝というのは意外と費用が高いので、見積書を見ると驚いてしまうものです。
広い庭があるお宅は全面人工芝にしたいという夢もあると思いますが、そのためには莫大な費用が必要となります。人工芝の工事費用を抑えたい場合は、本当に必要な部分のみを人工芝としましょう。他の部分は砂利などの安価な外構工事をしても、見た目は悪くなりません。

③人工芝の工事を得意としている業者に工事をお願いする

人工芝というのは庭の工事の中でも特殊な工事であり、様々なポイントを把握して工事を行わないと綺麗に仕上がらず長持ちしません。
そのため、人工芝の工事を得意としている会社は作業がサクサクと進んでいくので、費用も安く済ませることができます。

業者のホームページをチェックし、人工芝の工事を専門若しくは得意として行っているのかを確認した上で、工事の相談をしましょう。

家を建てたハウスメーカーや工務店に人工芝の工事を依頼すると、下請けに出すので高上りの工事費用となってしまいます。また、ハウスメーカーや工務店を挟んで打ち合わせをするので、希望が通らず理想の人工芝の工事にならない場合もあります。

④訪問販売の業者にはお願いしない

人工芝の工事は、訪問販売で声を掛けられることがあります。しかし、絶対に頼んではいけません。
安く工事をするといいながら、常識はずれの金額を提示してくる業者もいるようです。
そもそも、訪問販売をしないと工事を請け負うことができない業者は、良い業者ではないからです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
人工芝というのは様々な種類があり、奥が非常に深い物ということがわかったと思います。

様々な人工芝の選択肢の中から、ご自分が理想と思う人工芝を使って庭を快適にしましょう。
人工芝はメンテナンスフリーに近いので、将来的にも使いやすい庭となります。